最新AGA治療薬ザガーロとは?効果や副作用、他の治療薬との違いなど
男性にとって大きな問題であるAGAは、治療薬を使って治すことができます。そのなかでも新しいAGA治療薬であるザガーロは、高い効果があるとして注目されています。
ザガーロについて
新しいAGA治療薬、ザガーロ
これまでAGA治療薬としては、ミノキシジルやプロペシアといったものが一般的でした。特にプロペシアは、飲むAGA治療薬として高い効果を誇る人気の薬です。そんなプロペシアと同じく、飲むAGA治療薬として2015年9月に製造販売承認を受けた薬があります。それが、ザガーロです。
ザガーロは一般名をデュタステリドという薬で、イギリスに本社を置くグラクソ・スミスクライン株式会社が、製造販売認証を取得しています。もともとは前立腺肥大症の治療薬として利用されていたもので、102カ国以上の国で実績があることから薬としての安全性は保証されています。韓国ではアボダートという名前で2009年からAGA治療薬として販売が開始されており、日本は世界で2番目となります。
日本では2015年11月からの販売が予定されていましたが、現在は諸事情により生産が中止されています。そのため、日本での販売日に関しては2016年5月現在未定となっています。
ザガーロの有効成分、デュタステリドの持つ効果
ザガーロの有効成分であるデュタステリドは、プロペシアの有効成分であるフィナステリドと同じくAGAの症状に対して効果を発揮します。
男性ホルモンであるテストステロンは、5αリダクターゼの影響によってジヒドロテストステロンに変換されます。このジヒドロテストステロンは毛乳頭にある受容体と結びつき、脱毛因子であるTGF-5を増やします。その結果脱毛が促進され、次第に髪は薄くなっていきます。これが、AGAの仕組みです。
ザガーロの有効成分であるデュタステリドは、そもそもの原因であるジヒドロテストステロンを生み出す要因となっている5αリダクターゼの働きを阻害する効果があります。これによってジヒドロテストステロンが生まれにくくなり、その結果AGAの進行も抑えられるのです。
プロペシアよりも強い効果を持つ? ザガーロの特徴
ザガーロが注目されているのは、単に新しい薬だからだけではありません。ザガーロは、プロペシアを超える薬として期待されているのです。
というのも、ザガーロとプロペシアは同じ5αリダクターゼを阻害する効果のある薬ですが、その効果範囲は異なります。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類があり、プロペシアはそのうちのⅡ型に効果があります。これに対してザガーロはⅠ型とⅡ型の両方に効果があるため、より強い抑制効果があるとされているのです。また、プロペシアに比べて1.6倍の発毛効果が認められたという結果も出ているため、有効範囲だけでなくそもそもの効果も高いとされています。
ザガーロの副作用や注意点
強力だからこそ危険? ザガーロの服用で起こる副作用
程度は違えど、ザガーロはプロペシアと同じ作用をするAGA治療薬です。そのため、現れる副作用も非常に似通ったものになります。ザガーロの国際共同試験では、557例のうち95例で副作用が確認されました。その割合はおよそ17%で、4%程度であったプロペシアと比べると多いといえます。ザガーロはプロペシアよりも高い効果を持つ強力な薬である反面、副作用についてはやや発現しやすいのです。
ザガーロを服用した際の副作用として、多く発生したのは性機能不全です。勃起不全、リビドー減退、精液量減少が主に報告されていて、その割合はそれぞれ4.3%、3.9%、1.3%となっています。また、557例のなかには日本人120例が含まれており、日本人だけの結果を見るとリビドー減退が5.8%、勃起不全が5%、射精障害が1.7%であったとされています。このほかの副作用としては、発疹や頭痛、腹部不快感、乳房障害などが確認されています。
ザガーロを服用するときの注意点
ザガーロを服用する際には、幾つか注意すべきポイントがあります。それらのポイントについてご紹介します。
当然といえば当然ですが、ザガーロはAGA治療薬であるため、AGAの治療にのみ効果を発揮します。ほかのタイプの薄毛には効果がないため、服用の前にきちんと検査を受けるようにしましょう。
ザガーロを服用中は、輸血や献血を行うことができません。これは、日本赤十字社によって正式に発表されています。献血を行う場合、ザガーロの服用を中止してから6カ月以上の間隔を空けなければいけません。
PSAは、前立腺がんの腫瘍マーカーのことです。ザガーロを服用しているとPSAの数値が通常よりも低くなるため、健康診断などで前立腺がんを見落としてしまう可能性があります。そのため、診断を受ける際にはザガーロを服用していることをきちんと伝えましょう。
ザガーロを服用できない人
ほかの薬と同じように、ザガーロにも服用できない人がいます。後述する人が服用すると大きな悪影響が発生する可能性があるため、絶対に服用してはいけません。
ザガーロの有効成分であるデュタステリドは男性胎児の生殖器官の発育に悪影響を与える恐れがあり、場合によっては陰茎や陰嚢(いんのう)が正常に育たなくなってしまいます。また、経皮吸収も考えられることから、ザガーロに触れることも危険です。閉経後の女性であれば問題ありませんが、現在妊娠中あるいは将来妊娠する可能性がある閉経前の女性は触れないようにしましょう。
未成年者も、ザガーロの服用はできなくなっています。過去に重大な問題が発生したのではありませんが、未成年が服用した場合の安全性や有効性が確立されていないため、服用が禁止されています。
ザガーロには有効成分であるデュタステリドのほか、幾つかの成分が含まれています。これらの成分に対して過敏症の既往歴がある場合には重篤な症状が発生する可能性があるため、服用することができません。また、同じ5αリダクターゼ阻害薬であるプロペシアで過敏症を起こしたことがある人も、同じく服用できません。
ザガーロとプロペシアの違い
ザガーロとプロペシアの外見上の違い
ザガーロとプロペシアは同じ5αリダクターゼ阻害薬ですが、幾つかの部分で違いが見られます。それらのなかで、まずは外見上の違いについてご紹介します。
ザガーロとプロペシアは、見た目で簡単に見分けることができます。というのも、プロペシアが円形の錠剤なのに対し、ザガーロは長楕円(だえん)形のカプセル錠。大きさもプロペシアが直径7.2 mm、厚さ3.2 mmに対し、ザガーロは全長19.3 mm、厚さ6.6 mmと2倍以上大きいのです。こういったことから、見た目でプロペシアとザガーロを間違えることはないでしょう。
ザガーロは0.1 mgと0.5 mgの2種類、プロペシアは0.2 mgと1 mgの2種類がありますが、これら用量の違いによって大きさが変わることはありません。
ザガーロとプロペシアの効果の違い
ザガーロはデュタステリド、プロペシアはフィナステリドと、それぞれ有効成分は異なります。しかし、どちらも5αリダクターゼの働きを阻害する効果がある薬であるため、もたらす効果も似通ったものです。そのなかで大きく異なるのが、他項でもご紹介した作用範囲です。ザガーロは5αリダクターゼのⅠ型およびⅡ型の両方に効果を発揮する一方、プロペシアはⅡ型のみに効果を発揮します。そのため、より広い範囲をカバーすることができるのです。
また、治療効果自体にも違いが認められています。ザガーロを0.1 mg服用する場合とプロペシアを1 mg服用する場合に分け、24週間服用を続けて比較したところ、その治療効果は同程度であったという結果が出ています。プロペシア1 mgからザガーロ0.5 mgに処方を変更したところ77%症状が改善されたという結果もあり、こういったことから治療効果はザガーロのほうが高いことがわかります。
ザガーロとプロペシアの使用期限の違い
ザガーロやプロペシアには、使用期限が設定されています。使用期限を過ぎた薬は劣化や変質している可能性があるため、極力使用は避けなければいけません。プロペシアは0.2 mgと1 mgの錠剤がありますが、どちらも使用期限は3年間です。薬の有効期限は一般的に6カ月~3年となっているため、有効期限の上限まで保ちます。これに対してザガーロは、0.5 mgのカプセル錠の場合だと3年ですが、0.1 mgの場合では30カ月となっています。やや短くなっているため、この点には注意が必要です。
ザガーロと妊娠、出産の関係
ザガーロは精液にも影響を及ぼすのか?
ザガーロを服用してはいけない人の例において、女性は服用してはいけないというご紹介しました。女性が服用すると男性胎児に悪影響が出ることが理由となっていますが、ここで気になるのは精液あるいは精子への影響です。経皮吸収もあることから女性が触るのもNGだとされていますが、ザガーロを服用している男性と性交を行うことは大丈夫なのでしょうか。
臨床試験では、ザガーロを服用した男性は精液の薬物濃度比が平均11.5%だという結果が出ています。つまり、精液中にデュタステリドが溶け込んでいるということであり、可能性としてはデュタステリドが含まれた精液の影響で男性胎児の生殖器の発達が遅れることがあり得るといえます。ただし、生化学的特性が人間と似ているアカゲザルを用いた実験では、約186倍もの濃度を投与した場合でも発達障害は確認されませんでした。このことから、デュタステリドを服用した男性と性交を行った場合でも、胎児の生殖器の発達にはほとんど影響を与えないとされています。
子作りの際には服用を中止するべき?
前述したように、ザガーロを服用した男性と性交を行った場合でも、男性胎児の生殖器が発達障害に陥るというケースはほとんどないといえます。実際、臨床試験に参加した男性患者と女性の間に12例の妊娠報告がありますが、いずれも発達障害やその他の異常は発生していません。このことから考えると、特別気にする必要はないといえます。
しかし、可能性はほとんどないとはいえ、ゼロではないことから「もしかしたら」と不安に思うこともあるでしょう。妊娠前後に精神的に不安になるとそれ自体が胎児に悪影響を与えてしまうこともあるため、不安に思うのであれば一時的にザガーロの服用を中止するのがいいでしょう。デュタステリドが血中から完全に消失するには12週あるいは20週かかるとされているため、これを目安に休薬期間を設けましょう。
ただし、長期間休薬した場合はAGAが進行してしまうため、その点には注意が必要です。ミノキシジルであれば胎児への影響はないため、子作りを行う際には一時的に薬を変更するというのもひとつの手段です。
ザガーロに関するQ&A
ザガーロは新しいAGA治療薬であり、まだ詳細がわからないという人も多くいるかと思います。そこで、ザガーロに対するさまざまな疑問をQ&A形式でご紹介します。
ザガーロの名前の由来はなんですか?
なぜ前立腺肥大症の薬だったザガーロがAGAに効果があるのですか?
ザガーロは1日に何回、どれくらいを飲めばいいのですか?
日本以外での販売はどうなっていますか?
ザガーロの価格はどれくらいになりますか?
近年、AGAに悩む男性は増えています。そんなAGAは進行性であるため、早めのケアが大切であり、AGAの治療にはプロペシアとザガーロが有効であるとされています。
プロペシアやザガーロはクリニックで処方してもらうことが可能です。
「イースト駅前クリニック 新橋院・新宿院」では、薬の値段のみで初診・再診料は無料です。
土日祝日も診察しているので、空いているときに気軽にいくことができます。
AGAで悩んでいる人はまずは相談してみましょう。