帽子やヘルメットをかぶるとハゲる?薄毛にならないかぶり方は?
「帽子やヘルメットをかぶる人はハゲやすい」「帽子は髪に悪影響を及ぼす」などとよくいわれます。仕事で帽子やヘルメットを着用している人にとって、薄毛との関係は気になるところです。
帽子やヘルメットは、間違った方法で着用すると薄毛の原因になります。また、帽子やヘルメットをかぶった後に頭皮のケアを怠ると、通常よりも頭皮の環境が悪化しやすくなります。
しかし、適切な方法で着用すれば、帽子が髪に悪影響を及ぼすことはありません。また、帽子は髪の保護にも役立ちます。
今回は、帽子と薄毛の関係や、薄毛になりにくい帽子のかぶり方をご紹介します。
日常生活で帽子やヘルメットをかぶる機会が多い人は、是非参考にしてみてください。
帽子やヘルメットは頭皮の環境に影響を及ぼす
帽子やヘルメットは頭にかぶるものであり、頭皮や髪の状態に影響を及ぼします。
そのため、間違った方法で着用し続けると、頭皮の環境が悪化して薄毛の原因になる場合があります。
しかし、帽子やヘルメットを着用したからといって、ただちに髪に悪影響が及ぶわけではありません。日常的に帽子やヘルメットをかぶっている野球選手や作業員の中にも、髪がフサフサの人は多くいます。
また、帽子をかぶれば、髪に悪影響を及ぼす紫外線などから髪を保護することができます。
帽子やヘルメットは、頭皮や髪の状態に影響を及ぼします。しかし、正しく着用すれば薄毛の原因にはなりません。帽子やヘルメットは、適切な方法で着用することが大切です。
帽子の着用で薄毛が進行するケース
正しい着用方法を理解するために、帽子やヘルメットによって薄毛が進行してしまうケースをみていきましょう。
長時間着用して蒸れた場合
帽子やヘルメットを長時間着用すると、通気性が悪くなって頭皮が蒸れてしまいます。頭皮が蒸れると、雑菌が繁殖しやすくなって頭皮の環境が悪化し、薄毛が進行してしまう場合があります。
頭皮への影響が実験で確認されている
2016年に、帽子内の環境を研究する組織である「帽子内環境研究会」が発足しました。
帽子内環境研究会は、脱毛症の治療や公衆衛生学などの研究者で構成され、帽子と薄毛の関係についての研究を行っている組織です。
帽子内環境研究会は、成人男性50人を対象として、ヘルメットをかぶった状態で有酸素運動を行う実験を実施しました。その結果、以下のような実験結果が得られています。
・運動前は平均で20℃台前半だったヘルメット内の温度が、約30分で30℃近辺に上昇
・ヘルメット内の湿度も運動開始30分で80%近くに上昇
・頭皮の汚れや細菌の量が運動後に増加
研究会の報告によれば、運動後のヘルメット内の環境は、熱帯雨林気候や猛暑日の環境に近いとのことです。
帽子やヘルメットをかぶって作業や運動を長時間行うと、頭皮に悪影響が及ぶことがわかります。
着用後の洗髪が効果的
この実験結果をみると、「帽子やヘルメットは髪に良くない」と思うかもしれません。しかし、この実験はヘルメットをかぶって運動を続けた場合のものです。
また、この実験後に洗髪を行ったところ、汚れや細菌が大幅に減少して頭皮の環境が改善されたことが報告されています。
帽子やヘルメットを着用する際には、時折脱いで頭皮の蒸れを防ぐとともに、着用後に洗髪をしっかりと行って頭皮を清潔に保つことが大切です。そうすれば、頭皮の環境悪化を最小限にとどめることができます。
逆にいえば、蒸れて不潔な状態の頭皮を放置すると、薄毛が進行しやすくなります。
サイズがあわず頭皮の血行が悪化した場合
サイズが小さすぎる帽子を着用すると、頭が締め付けられて頭皮の血行が悪化する場合があります。そうしたサイズがあわない帽子を着用し続けていると、血行不良によって頭皮の健康状態が悪化し、薄毛が進行してしまいます。
毛根は、血液によって運ばれる酸素や栄養素を使って髪を生成しています。血行が悪化すると、髪の成長が阻害されて薄毛の原因になります。また、髪を支える頭皮の筋肉も衰えやすくなり、抜け毛が増えてしまいます。
頭皮の血行不良による抜け毛を防ぐためには、小さすぎる帽子は避けて、適切なサイズの帽子を着用することが大切です。
同じ部分の毛根に負担がかかった場合
帽子やヘルメットを着用すると、摩擦によって毛根に負担がかかります。
いつも同じ分け目のまま帽子やヘルメットを着用していると、分け目の部分の毛根に過度に負担がかかり、そこから髪が薄くなってしまう恐れがあります。
帽子の着用が薄毛予防に役立つケース
帽子は、正しく着用すれば薄毛予防に役立ちます。帽子が薄毛予防に役立つケースをご紹介します。
紫外線から頭皮を守る
紫外線は、薄毛を進行させる原因のひとつです。帽子を着用すれば、紫外線から頭皮を守ることができます。
・紫外線は薄毛を引き起こす
紫外線を浴びると、体内で活性酸素が大量に発生します。活性酸素は非常に強い酸化力をもつ物質で、その酸化力で細胞を傷つけて老化を促進します。紫外線によって頭皮の活性酸素が過度に増加すると、毛根の老化が早まって薄毛が進行してしまいます。
・帽子は紫外線を遮断する
夏の日差しが強い日などに帽子をかぶれば、紫外線から頭皮を守ることができます。
帽子の着用は、活性酸素の増加による薄毛の進行を防ぐのにとても効果的です。
髪の健康が気になる人は、日差しの強い日に帽子を着用することをおすすめします。
その際には、頭皮が蒸れないように、通気性の良い素材の帽子を使用しましょう。
冷えによる頭皮の血行不良を防ぐ
温度や湿度が高すぎると頭皮が蒸れてしまいますが、低すぎても頭皮に悪影響が及びます。
温度が低すぎると、血管が収縮して頭皮の血行が悪化し、髪の成長が阻害されてしまいます。また、頭皮が乾燥しすぎると、炎症が起こりやすくなって薄毛の原因になります。
帽子を着用すれば、温度と湿度の低下を防いで頭皮の健康を維持することができます。
特に冬場は、温度と湿度の低下による頭皮の健康悪化が起こりやすい時期です。冬場には厚手の帽子をかぶって、温度と湿度の過度な低下を防ぐことをおすすめします。
薄毛になりにくい帽子のかぶり方
帽子やヘルメットを長時間かぶり続けていたり、サイズの合わない帽子を着用したりすると、頭皮の健康状態が悪化して薄毛が進行してしまう場合があります。
帽子は、頭皮の環境を悪化させないよう正しい方法で着用することが大切です。
薄毛になりにくい帽子の着用方法をご紹介します。
長時間の継続着用は避ける
帽子やヘルメットを長時間着用し続けると、頭皮が蒸れて雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌が繁殖すると、頭皮の炎症や健康悪化による薄毛の原因になります。
帽子を着用する際には、かぶりっぱなしにせず1時間おきに外すなど、頭皮の蒸れを防ぐ工夫を心がけましょう。
帽子を清潔に保つ
普段頭皮を清潔にしていても、帽子やヘルメットが汚れていると、その汚れが頭皮に移ってしまいます。頭皮が汚れると、雑菌が繁殖して髪の健康に悪影響が及びます。
帽子やヘルメットは、洗濯・清掃してなるべく清潔に保つことが大切です。
特に夏場は汗や皮脂の分泌量が多く、雑菌が繁殖しやすい季節です。
夏場に帽子を着用したら、頭だけでなく帽子もしっかりと洗うようにしましょう。
適切なサイズの帽子を着用する
小さすぎるサイズの帽子を着用すると、頭皮の血行が悪化して血行不良による薄毛の原因になります。また、髪が引っ張られて毛根の負担が増加してしまいます。
帽子は、頭を締め付けない適切なサイズのものを使用することが大切です。
ときどき髪の分け目を変える
いつも同じ分け目で帽子をかぶっていると、分け目の部分の毛根に負担がかかり、そこから髪が薄くなる可能性があります。
仕事などで日常的に帽子やヘルメットをかぶる場合には、少しずつ分け目をずらしてかぶるようにするなど、いつも同じ分け目にならないよう工夫をすることをおすすめします。
休憩時間ごとに分け目を入れ替えるのも効果的です。
季節によって帽子を変更する
季節によって適切な帽子は異なります。頭皮を健康な状態に保つために、季節によって着用する帽子を変えることをおすすめします。
夏であれば、麻・綿・メッシュ素材などの、通気性の良い素材でできた帽子が適しています。また、紫外線を防ぐためのUV加工が施された帽子も良いでしょう。
夏は汗と皮脂の分泌量が増えるため、手軽に洗えるものを選ぶことも大切です。
逆に冬は、暖かいニット系の帽子がおすすめです。厚手の帽子を着用すれば、温度や湿度の過度な低下を防ぐことができます。
なお、冬場はあまり汗をかきませんが、肌に直接触れる部分は冬場でもある程度汚れるため、時折洗濯するようにしましょう。
長時間かぶったらしっかりシャンプーする
前述した「帽子内環境研究会」の報告の通り、帽子やヘルメットの着用によって頭皮の雑菌が繁殖しても、しっかりと洗髪すれば頭皮の環境を改善することができます。
仕事の都合などで、帽子やヘルメットを長時間着用しなければならない人も多いでしょう。そうした人は、着用後にしっかりと洗髪して、頭皮を清潔に保つことが大切です。
ただし、洗髪回数を増やしすぎると、必要な皮脂まで落としてしまい、頭皮の健康が悪化する場合があります。また、不足した皮脂を補うために、頭皮の過剰分泌が起こってしまうこともあります。
そのため、洗髪回数は増やしすぎないようにしましょう。夏場でも、就寝前などに1日1回しっかりと洗えば、頭皮を清潔に保つことができます。
帽子を上手にかぶって薄毛予防
帽子やヘルメットは、長時間着用し続けると頭皮の環境悪化の原因になります。
帽子を着用する際には、こまめに外して蒸れを防いだり、適切なサイズのものを使用するなど、頭皮の環境悪化を防ぐ工夫をすることが大切です。
仕事で帽子を外せない場合は、着用後にしっかりと髪を洗いましょう。洗髪すれば、雑菌の繁殖による薄毛の進行を防ぐことができます。
帽子は、適切に使用すれば、紫外線や血行不良による薄毛の進行を抑制することができます。
髪を健康に保って薄毛を防ぐために、帽子を上手に活用することをおすすめします。